国章には仏教やモンゴル民族の伝統のシンボルが組み込まれている。国章の外側を囲む円形に描かれた文様は終わりがない文様は永遠の象徴でもある。その中は青色の地があり、モンゴルの人々が崇拝してきた大空を象徴している。青地の上の方には三つの宝石がある。これは仏教でいう三宝を表し、モンゴルの民話では願いを聞き入れるものでもある。これは過去・現在・未来の三つをも象徴している。
青地の中央には「ソヨンボ」が組み合わされた馬が描かれている。ソヨンボはかつてモンゴルで使われた文字(ソヨンボ文字)の名で、モンゴルを象徴するシンボルでもありモンゴルの国旗にも描かれている。
ソヨンボは風の中を走る馬と組み合わされている。この風の馬は「ヒーモリ」という。モンゴルの言葉でヒーは「気」、モリは「馬」を意味し、ヒーモリは幸運や魂のことも指す。この馬は、モンゴルの独立、主権、魂の象徴である。
紋章の下の方には緑色の山並みがあり、中央には法輪が描かれている。山並みから法輪には、青色のハダクというスカーフが描かれている。法輪は崇敬の象徴であり、ハダクはモンゴルやチベットでは親しい人や尊敬する人に渡すためのものである。紋章の下には白い蓮の花がある。